

ソフトクリームだけで終わらない一日を。
■ 概要
今回ご依頼いただいたのは、山梨県北杜市清里の観光名所「清泉寮」様のパンフレットリニューアル。
清泉寮は、山梨県民なら誰でも知っている観光地であり、「清里といえばここ!」と思い浮かべる人も多い名所です。
特に1980年代には、全国から若者が集まる清里ブームの中心地となり、現在もなお年間50万人以上の来訪者が訪れるほどの人気を誇っています。
敷地は八ヶ岳南麓の雄大な自然に囲まれ、歴史的な本館をはじめ、ジャージー牛の牧場、レストラン、ミュージアムなど多彩な施設が点在。
自然と教育、食と農業が共存する場所として、長年親しまれています。
■ ヒアリングで見えた課題と目的
ヒアリングでは、スタッフの皆さんから率直な悩みを共有いただきました。
- パンフレットが長年同じデザインで、目新しさがなくなってきている
- お客様の多くがソフトクリームだけ食べて帰ってしまう
- 都心から来る親子連れにとって、「施設の楽しさ」が伝わりにくい
せっかく充実した施設がそろっているのに、その魅力が伝わりきっていないことが非常にもったいないと感じました。そこで今回のパンフレットでは、「清泉寮の伝統」と「家族で一日楽しめる」を、楽しく、分かりやすく伝えることを目標に掲げました。
■ デザイン
● 表紙
パンフレットの顔とも言える表紙には、堂々と佇む清泉寮本館の写真を採用。清里の歴史と風格を感じさせると同時に、「あっ、清泉寮だ」とひと目でわかる安心感を大切にしました。
タイトルには手書き風の文字とイラストを使用し、硬すぎず、親子にも親しみやすい雰囲気をプラス。歴史の重厚さと親しみやすさのバランスを意識しました。
● 過ごし方が一目で
制作の中で一番ワクワクしたのが、「スタッフはこう回る!3つのミュージアム攻略コース」のコーナー。実際の過ごし方が想像できる提案型の構成に。
お客様が施設を回るイメージが自然と湧くよう、時間帯・移動距離・子どもの楽しみやすさ・休憩ポイントも意識して構成し、見どころが自然に伝わるよう工夫しました。
■ レストラン紹介:素材の魅力と雰囲気を届けるために
清泉寮には3つの異なるレストランがあり、どこも魅力的。しかし、「どんな違いがあるの?」「どこに入ればいいか迷う」といった声がありました。
そこで、各レストランの魅力を一目で比較できるように構成を設計。それぞれのレストランの雰囲気とターゲットに合わせて、デザインのトーンや色調を変え、お客様が「ここ、入りたい」と直感で感じられるようにしました。
また、メニュー紹介にとどまらず、地元野菜や有機ジャージー牛など、素材の魅力もしっかり伝えることを意識。文章や写真だけでなく、「どこで育てられた素材なのか」「なぜ美味しいのか」を丁寧に紹介し、清泉寮の“食の信頼感”をパンフレットでも感じられるようにしました。
年間を通して制作させていただきました





最後に
清泉寮は、「ただの観光地」ではなく、「歴史・農業・自然・人とのつながり」が深く息づいていています。
パンフレットが、初めて訪れる方にとっての入口になれるように。そんな気持ちをこめて、一文字一画像にまでこだわりました。
清泉寮を初めて訪れる人にも、「ソフトクリームだけで終わらない清泉寮の一日」を提案し、訪れる人にとって清里での思い出の入口になってくれたら嬉しいです。