「自然が好き」が、社会を動かす力になる

■ 案件概要
今回制作を担当させていただいたのは、都留文科大学の環境教育ゼミ(田開ゼミ)様のWEBサイト。
ゼミ自体は2024年度に新設されたばかり。学生や外部団体からの認知を高め、活動への関心を広げていくことを目的とした、ゼロからのスタートでした。
このサイトには、目的:
- 学部生・大学院生に、ゼミでの学びや活動の魅力をわかりやすく届けること
■ ターゲット
メインターゲットは、自然好きな高校生。
- 自然や郷土が好きだけど、それをどう仕事に活かせるか分からない
- 就職のためにではなく、自分の“好き”を大切にしたい
- 環境問題に対して、意識がとても高いわけではないけど、関心がある
――実はこのターゲット像、かつての私そのものでした。
小さい頃から「自然が好きで、将来の夢は森のガイドさん」。しかし、高校時代、調べても具体的な道が見つからず、「森」という文字に惹かれて選んだ学科は林業の大学。しかし、実際に入学した後に「私のやりたかったこと、ここじゃない」と大学選びに失敗した経験があります。
だからこそ、今回のプロジェクトには自然と力が入りました。
「自然が好き」「郷土に関心がある」という気持ちが、実は社会を動かす力になる――そんなメッセージを込めて、等身大の高校生・大学生に伝わる表現を大切にしました。
■キャッチコピーに込めた想い
メインコピーは、
「さぁ、フィールドに出かけよう!地域の可能性を感じる・考える・広げる」
という言葉に設定しました。
このコピーには、研究室にこもるのではなく、実際の現場=地域に出て、自分の目と足で確かめることの大切さを込めています。
自然や郷土、文化に興味がある――そんな気持ちから始まった関心が、
「この地域には、こんな可能性があるんだ!」という発見につながり、
やがてはそれを**“自分なりの形で広げていく”アクション**になる。
環境教育ゼミが目指すのは、まさにそのサイクル。
だからこそこの言葉は、学生たちの最初の一歩を優しく後押しするような、ワクワクと前向きさに満ちたものになるように考えました。
■ デザインは、ワクワク×ナチュラル
ゼミの多彩な活動――たとえばツルやムササビの調査、富士山と湖の環境研究、人形劇、狩猟体験――などを、パッと見てワクワクするようなビジュアルで伝えられるよう意識しました。
● トーンとテイスト
- ナチュラルな色味とあたたかい質感で、実際のフィールドワークの空気感が伝わるよう工夫
- 手描きのイラストとフォントで、人のあたたかみを表現
● コンテンツ設計
- 「このゼミでどんなことが学べるの?」という疑問に、応えられるよう、活動の流れ・実践内容・研究テーマを具体的に紹介しました。抽象的な説明ではなく、「どんな人が、どんな場所で、どんなことができるのか」が視覚的にも伝わるよう、イラストと図解を活用しています。
- また、「やってみたい」コーナーでは、学生自身が関心のあるテーマに沿って研究を進められることを強調しました。自然や地域、文化など、興味のあることを起点に、自分なりの問いを深めていける――その柔軟さと自由さが伝わるように構成しています。
- さらに、研究の雰囲気やフィールドワークの楽しさに加えて、「このゼミで学ぶことで、将来どんな職業に就ける可能性があるのか」という点にも触れました。進路選びに迷っている学生にとって、「学びと仕事のつながり」が見えることは大きな安心感につながるため、この視点も大切に設計しました。
最後に
“好き”の延長線にある学びを、
“やりたい”の原点にある社会貢献へ。
このWEBサイトが、その橋渡しの一歩になってくれたらと願っています。